概要
温度コントローラーを作ってみました。 普段は製品を購入していますが、一度自作してみようということで。自作経験があれば、予算不足に陥ったときも怖くない?ペルチェとサーミスタで制御する仕様です。
構成
温調のコア部分はWavelength ElectronicsのWTC32NDを使用しています。温度調整つまみや外部制御入力を追加し、全体のコントロールにはマイコンボード(Teensy LC)を使用しています。
外部制御入力は基本フィードバック制御にしか使わないので、積分器を通って温度設定電圧に加える形になっています。本当は温度制御のエラー信号を直接置き換えたかったのですが、WTC32NDにそういう入力端子は無いのでこうしています。制御がカスケードになってしまうので、それが問題にならないかどうかは検証する必要があります。積分の時定数を十分遅くしておけば大丈夫なはず。場合によっては、積分はアナログ回路ではなくマイコン上でやるというのも手ですね。その方がいいかもしれません。
表示ディスプレイは、秋月で買ってきたOLEDのキャラクタディスプレイを使ってみました。128×64のディスプレイでも良かったのですが、ややレトロな蛍光表示管 (VFD) の雰囲気を出したかったので緑色のキャラクタディスプレイにしてみました。
当初設計から変更したのは電源トランス。在庫があった7 V × 2, 15 VAのトロイダルコアトランスから±5 Vを作ってみたのですが、ペルチェに1 Aも流すと電圧降下を起こしてしまい、しまいにはOLEDが消えてしまいました。ギリギリいけるという計算でしたが、ダメでしたね。おとなしく9 V × 2, 25 VAのトランスに変えて、大丈夫になりました。
筐体のサイズはThorlabsのTED200Cより横幅が少し大きい程度。ファンレスなので放熱は少し心配。使ってみて様子見です。
ペルチェとサーミスタケーブル用のコネクタも迷いました。本当は普段使っている温度コントローラと同じヒロセのRM12, 6極にしようと考えていたのですが、世界的なコネクタ供給不足で手に入らず(もしくはめちゃくちゃ高く)、仕方なくヒロセのHR10の6極にして、ペルチェには信号とGNDで2極ずつ使うという形にしました。
その他
そういえばいつも買っている温度コントローラも、RM12の6極が手に入らなかったのかRM12の7極になっていました。これまでの製品とケーブルの互換性がなくなっとるやないか!